OIKAWA,Satoko blog

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2004のクリスマス 

東京での個展が無事終了。会期中はほとんど会場につめていたのだが、休日にはせっかくなので銀座や京橋のギャラリーを回った。銀座、京橋界隈というのは恐ろしいほど美術ギャラリーが並んでいて、無名有名の作家達が展覧会を開いている。大作家の回顧展とは違う面白さがあるし、同じ世代の作家達の展覧会を見るのは、何より刺激になるものだ。

ちょうどクリスマスの時期なので、街はイルミネーションで飾られていた。ウィンドウには、プレゼントにいかが?と、可愛らしく魅力的な商品が並ぶ。毎年、MIKIMOTOビルは工夫を凝らしたツリーを飾る。今年のツリーも綺麗だった…でも、ちょっと寂しい気持ちがしないでもない。そう思ってみると、何故だろう、和光の時計をあしらったあのビルも何となく寂しい。宝石と見まごうケーキを飾る洋菓子店のウィンドウも輝きが減って見えてくる。

やはり、景気が悪いのかなぁと思う。今年はボーナスも増えたらしいし、景気も上向きだとニュースは告げるが、80年代、バブルのただ中に成長した私にしてみると、街はまだまだクリスマスの度合いが低く、さびしい冬の街に感じられてならなかった。都会が持つ魅力に心惹かれなくなっている自分の感覚が、さびしく見せているのだろうか、とも疑ってみたが、やはりそればかりではないように思える。ある程度装飾されているだけに、クリスマスにあるべき華やかさが「もう少し」「ちょっと足りない」と感じさせてしまうのではないか、と思えた。

柴田町に戻り、宮城での仕事納めをして、さぁやっと大掃除と思った今日は朝から雪。暖冬に気を緩め、冬タイヤに履き替えるのを忘れていた我が家は、雪が解けるまで買い物にも出られないことになってしまった。散歩に出ると、愛犬は上機嫌で走り回り、ブンブン尻尾を振りながら雪に顔を突っ込んでいる。
 風もなく静かに降る雪は木々の枝や枯れ草の上に、息をのむ繊細さで積もる。あの細い枝の太さのままに、薄い雪の壁を作るように積もっている。眠ったまま、枝も枯れ草も雪の重さにしなり、幾重にも幾重にも雪のアーチが続いている。

何も足りないものがない、と思う。山に雪が積もる。その姿が綺麗なのは当然至極で、いつだってそうなのだ。誰も見ていないところでも、それは変わらずに綺麗でいる。「一年で一番綺麗でロマンチックなクリスマス」と演出されることもない。足すことも引くこともなく、そのままで美しい状態がここにある。一番最初のクリスマスは、こんな場所に訪れたのだろう。飾るものは何もない。それ自体で最も幸福なものが生まれた聖夜。
 
新しい年、相変わらず安定しない生活は続くと思われる。その分、自由に暮らすのだ。雪で家に閉じこめられながら、私達はそれを面白がって暮らすことができる。飾りようもないそのままの在り方で、晴れ晴れと新年を迎える幸せもあるのだ。
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