OIKAWA,Satoko blog

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田舎自慢 

せっかく田舎暮らしを始めたので、東京の友人知人にどれほど我が家が田舎にあるか、自慢するのがとても楽しい。家が広いだとか、空がきれい、星がたくさん見える…等、田舎の利点は当然自慢するが、テレビが映らないとか、バス停がない、なんてマイナス面も以外と自慢のツボである。
「ウチ、テレビ映んないからさ、新聞も取ってないし、情報はもっぱらネットだね。もちろんISDNだけど」なんて小鼻をふくらまし気味に話せば、大抵「え~!本当?!」と驚いてくれる。「え?あぁ、キツネとか、狸も出るよ。アオダイショウとかね、ヤマカガシもいるから、散歩中びっくりすることもあるよ」ヘビ、と一括りにしないのがミソである。種類だって見分けられるくらい自然に親しんでいることを是非、アピールしたいところだ。

そんな私も、愛犬が盛んにほえるので、何だろうと縁側から外を眺め、ニホンカモシカを見つけたときには驚いた。急ぎ、双眼鏡をのぞき込むとオレンジがかった角を生やし、ふわふわと毛の生えた鹿のような、牛のような大きな体と、のほほんとした顔が見える。こちらを警戒しつつもゆっくり草をはんでいた。
大家さんにカモシカが現れたことを話すと「トウモロコシがやられるなぁ」と肩を落としてしまった。カモシカが現れたことで大喜びするなんて、本当は脳天気なことなんだと気づかされた。田舎暮らし、の本当の姿を、私はまだ分かっていないということだろう。反省した先から、それでも「またこないかな、カモシカ」なんて思ってしまう。農作物は食べないで、そこら辺の草だけ食べてくれれば良いな」と、虫のいいことを願いつつ。てんで甘ちゃんなんである。

冬の初めに引っ越してきたので、当初は家の周りの畑も田圃も耕されていなかった。春過ぎて、散歩に出るたびあちこちで農家の方が作業をしている姿を見かけるようになった。土が掘り返されていたり、整えられていたり。大地が人の手で着々と形を変えていくのが実に興味深い。水田に水が流され始めるのも私は今年初めて見た。自分の身体にも水が蓄えられるようで見ていて本当に心地よかった。
愛らしく、柔らかな苗が規則正しく植えられた水田に、青空が映っているのは、格別に素敵な景色。そよ風が苗を撫で、愛犬のしっぽも揺らしていく。
農作業に対する私の視線というのも、きっと何の苦労もつらさも理解しないものなのだろうと思う。興味深いとか、心地良いなんて言ってばっかりいられるわけがないと、想像はするけれど、本当の大変さは理解していないはずだ。田舎暮らしを自慢するほど、まだまだ「暮らし」ていない、ということだろう。

それでも、やっぱり、私は今の暮らしを自慢したい。西日に映える枝が金色に見えることを、ヒメジオンを揺らしてカナヘビが身を隠すことを、カエルの合唱でビデオの音量を高くしないといけないことを。呑気な街生まれだから見えてくる景色というものもあるのではないか、そしてそれは、それなりに意味があるんじゃないかな、と思うからである。

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